「年金だけでは生活が苦しい…」「まとまったお金が必要だけど、この家にずっと住み続けたい…」
そんな願いを叶える方法として、最近よく耳にするようになった「リースバック」。自宅を売却して現金を受け取り、そのままその家に住み続けられるという、高齢者の方々にとって夢のような制度に聞こえるかもしれません。
しかし、インターネットで「リースバック」と検索すると、「やばい」「後悔」「失敗」「地獄」といった、思わず身震いするような言葉が並んでいるのを目にしたことはありませんか?
「リースバックって、本当に大丈夫なの?」 「もし利用して、取り返しのつかない後悔をしたらどうしよう…」
そうした不安を抱えているあなたのために、この記事では、リースバックの隠れたリスクや落とし穴、そして実際に「やばい」状況に陥ったり「後悔」したりする具体的なケースとその背景を、**不動産関連の専門家が徹底的に解説します。**さらに、そうならないための具体的な対策と、老後の安心を守るための賢い選び方まで、初心者の方にも分かりやすくお伝えします。
大切な自宅と、これからの老後生活を守るために、ぜひこの記事を最後までお読みください。
1. リースバックが「やばい」「後悔」と言われるのはなぜ?その根深い理由
リースバックが「やばい」「後悔」といった言葉と結びつけられるのには、いくつかの根深い理由があります。多くの問題は、リースバックの仕組みそのものが持つ**「見えにくいリスク」**を十分に理解しないまま、安易に契約してしまうことに起因します。
1-1. 自宅の「所有権」を手放すことの重み
リースバックの最も根本的な特徴は、あなたが長年住み慣れた自宅の「所有権」が、リースバック会社(または新たな購入者)へ移転することです。これが、様々なリスクの出発点となります。
- 「自分の家」ではなくなるという現実: 契約後は、自宅は法的にはあなたの財産ではなくなります。つまり、勝手にリフォームしたり、増改築したりすることはできず、将来、子どもに相続させることもできません。
- 「借りている家」になるという立場: あなたは、これまで自分の家だった場所に「家賃を払って住まわせてもらっている」賃借人になります。賃借人には、賃貸借契約で定められた義務(家賃の支払い、物件の丁寧な使用、契約の遵守など)が生じます。
この「所有権の移転」という事実の重みを軽視し、「住み続けられるから大丈夫」とだけ考えてしまうと、後々、「こんなはずじゃなかった」という大きな後悔につながる可能性があります。
1-2. お金と家賃の「損得」計算の落とし穴
リースバックは、「自宅を売ってまとまった現金を受け取る」ことと「毎月家賃を払って住み続ける」ことの二つの側面を持ちます。この二つのバランスを正確に把握しないと、後悔の大きな原因となります。
- 売却価格が相場より低い傾向: リースバック会社は、自宅を買い取った後、すぐに売却するわけではなく、あなたに賃貸として貸し出す「賃貸経営」のリスクを負います(空室リスク、家賃滞納リスク、物件価値の下落リスク、メンテナンス費用など)。これらのリスクや、会社としての利益を確保するため、一般的な市場売却に比べて、売却価格が相場よりも1~3割程度(場合によってはそれ以上)低く設定されることがほとんどです。
- 家賃が高めに設定される傾向: 売却価格が低い分、リースバック会社は毎月の家賃で収益を回収しようとします。そのため、周辺の賃貸物件の相場と比較して、家賃が高めに設定される傾向があります。
- 長期的な家賃の総額が売却額を上回るリスク: もし長期間にわたって住み続ける場合、あなたが支払う家賃の総額が、自宅を売却して受け取った金額を大きく上回ってしまうことがあります。これにより、「結局、自宅を安く手放した上に、高い家賃を払い続け、最終的に大損をした」という感覚に陥り、「地獄を見た」と感じるような後悔につながることがあります。
2. これが「やばい」現実:リースバックで後悔する具体的なケース
実際にリースバックで後悔や「悲惨な」状況に陥ってしまうのは、どのようなケースなのでしょうか?ここでは、よくある具体的な事例とその背景を詳しく見ていきます。
2-1. 「家賃が高すぎて、結局、老後破産寸前になった」ケース
最もよく耳にする後悔であり、「やばい」と感じる状況の典型です。
- 事例: 年金収入が月15万円のAさん。急な医療費でまとまったお金が必要になり、自宅を2,000万円でリースバックしました。しかし、提示された毎月の家賃は10万円。当初は「2,000万円あれば安心」と一時的に安堵したものの、月々の家賃10万円を支払うと、残りの5万円で食費、光熱費、通信費、交通費、さらに医療費をまかなわなければならず、あっという間に生活が立ち行かなくなってしまいました。結局、わずか数年で受け取った売却代金も底をつき、生活保護を検討する事態に。
- 背景: リースバックは、一時的な資金調達には有効ですが、その後の**「毎月の家賃」という固定費が長期的に生活を圧迫する最大の要因となります。リースバック会社は、あなたの収入状況よりも、物件の価値や回収期間、利益率を重視して家賃を設定するため、あなたの支払い能力を超えた家賃になることも珍しくありません。高齢者の場合、一度生活水準を落とすことは非常に難しく、金銭的な不安は精神的にも追い詰められ、「老後破産」の危機**につながります。
2-2. 「契約更新ができず、住み慣れた家を追い出された」ケース
これは「やばい」という言葉がまさに当てはまる、自宅を失うという悲惨な結末です。
- 事例: Bさんは、リースバックの賃貸借契約が「定期借家契約」であり、契約期間が2年間であることを深く理解しないまま契約しました。2年後、リースバック会社から突然「再契約は可能だが、家賃を12万円に大幅値上げする」と通告。Bさんは、その金額を支払う経済的な余裕がなく、交渉も決裂したため、結局、住み慣れた自宅を退去せざるを得なくなりました。
- 背景: リースバックで結ばれる賃貸借契約には、「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があり、多くのリースバックでは「定期借家契約」が採用されています。
- 定期借家契約: 契約期間の満了で契約が確定的に終了します。期間満了後、家主(リースバック会社)は更新の義務がなく、再契約を拒否したり、大幅な家賃値上げを要求したりすることができます。リースバック会社は収益最大化を目指すため、利益が確保できないと判断すれば、迷わず再契約を拒否することも十分にあり得ます。家賃滞納や契約違反がなくても、合法的に退去を求められる可能性があるため、最も注意すべき点の一つです。
2-3. 「買い戻し価格が高すぎて、自宅を取り戻せなかった」ケース
「いつか自宅を取り戻したい」という希望が打ち砕かれる後悔です。
- 事例: Cさんは、一時的な資金繰りのため、将来的に自宅を買い戻すつもりでリースバックを利用しました。しかし、数年後、経済状況が好転して買い戻しを申し出たところ、売却価格の1.5倍、さらに諸費用込みで、売却価格から約1.8倍もの高額な買い戻し価格を提示され、結局買い戻しを断念せざるを得ませんでした。
- 背景: リースバックの契約には「買い戻し特約」が付帯している場合がありますが、その際の買い戻し価格は、売却価格よりも高額に設定されることがほとんどです。リースバック会社は、売却時の値引き分に加え、資金提供の対価、家賃収入が少ない期間があった場合のリスク、そして将来の不動産価格上昇を見込んで、買い戻し価格を上乗せします。この高額な買い戻し価格を認識しないまま「いつか買い戻せる」と期待すると、「取り戻せない」という絶望的な後悔につながります。
2-4. 「修繕が必要なのに、費用負担を巡ってトラブルになった」ケース
予期せぬ出費が重なり、経済的な苦境に陥る後悔です。
- 事例: Dさんはリースバック後、自宅の給湯器が故障。リースバック会社に連絡したところ、「賃貸借契約では、消耗品の修理や小規模な修繕は賃借人(あなた)負担となっている」と言われ、高額な修理費用を自腹で払うことになりました。さらに数年後、屋根の雨漏りが見つかり、これも「通常の使用による経年劣化は賃借人負担」とされ、またしても多額の出費が発生しました。
- 背景: 自宅の所有権がリースバック会社に移るため、本来であれば大規模な修繕費用(建物の構造部分、屋根、外壁など)はリースバック会社が負担します。しかし、賃貸借契約の内容によっては、給湯器、エアコン、ガスコンロなどの設備、または小規模な修理や消耗品の交換費用、さらには「通常の使用による経年劣化」と判断される範囲の修繕費用までが、賃借人(あなた)の負担となるケースが少なくありません。契約前の確認不足が、予期せぬ高額な出費につながり、経済的な苦境を招き、「こんなはずじゃなかった」と後悔することになります。
3. 「やばい」状況に陥らないために!後悔しないための具体的な対策
リースバックは、リスクを理解し、適切な対策を講じれば、高齢者の方々にとって有効な資金調達手段となり得ます。「やばい」状況に陥らず、後悔しないために、以下の点を必ず実行してください。
3-1. 複数の会社から見積もりを取り、徹底的に比較検討する
これが後悔しないための最も重要な第一歩です。一社だけの提案で決めるのは非常に危険です。
- 売却価格の比較と根拠の確認: 複数社の査定を比較し、なぜその価格なのか、根拠を明確に説明してもらいましょう。相場よりも極端に低い価格を提示する会社には特に注意が必要です。
- 家賃設定の比較と妥当性の確認: 周辺の賃貸物件の相場と比較し、適正な家賃設定かを確認しましょう。売却価格が安くても、家賃が高ければ長期的に損をする可能性が高いです。「家賃が安い」と謳われていても、売却価格が極端に低いケースが多いので注意が必要です。
- 賃貸借契約の種類と期間の確認: **「普通借家契約」か「定期借家契約」かを必ず確認しましょう。**できれば「普通借家契約」で長期の契約ができる会社を選びましょう。期間が短い場合や、更新の条件が不明瞭な場合は要注意です。
- 買い戻し特約の有無とその条件: 買い戻しを希望する場合、買い戻し価格(売却価格に対する割合など)、買い戻し可能な期間、その他の条件などを明確に確認しましょう。現実的な価格設定かどうかが非常に重要です。
- 修繕費用の負担区分: どの範囲の修繕費用がどちらの負担になるのか、細かく確認し、契約書に明記されているか確認しましょう。後々のトラブルを避けるため、曖昧な点は全て解消しておくべきです。
- その他手数料: 契約時にかかる事務手数料、仲介手数料、印紙代、さらには退去時費用などの諸費用も比較対象に含めましょう。
3-2. 賃貸借契約の内容を徹底的に確認する
売買契約と同時に結ばれる賃貸借契約こそが、リースバックの肝であり、トラブルの温床となりやすい部分です。
- 契約期間と更新条件: 定期借家契約の場合、期間満了後の再契約が保証されているか、家賃が大幅に上がる可能性はないか、など、口頭ではなく書面で明確に確認しましょう。
- 家賃改定のルール: 何年ごとに、どのような基準で家賃が見直されるのか、明確に把握しましょう。
- 中途解約の可否と条件: もし途中で退去することになった場合、どのような条件で解約できるのか、違約金は発生するかなどを確認しましょう。
- 禁止事項: ペットの飼育、リフォーム、増改築などの禁止事項も確認しておきましょう。
3-3. 資金計画を綿密に立てる(家賃負担と寿命を考慮)
リースバックで得た資金は、計画的に使うことが重要です。特に、その後の家賃支払い能力を冷静に判断しましょう。
- 受け取った売却代金の使途: 住宅ローンの完済、生活費、医療費、介護費など、何に使うのかを具体的にリストアップしましょう。
- 将来の収支シミュレーション: 売却代金と、毎月の家賃、そして年金収入やその他の収入を考慮し、**今後、ご自身の寿命まで何年間、安定した生活を送れるのか、具体的な収支シミュレーションを綿密に行いましょう。**老後の医療費や介護費など、不測の出費も考慮に入れることが大切です。
- 家賃が生活を圧迫しないか確認: 売却代金は一時的なものです。毎月の家賃が、年金収入や他の定期収入に対して「無理なく支払える」範囲か、冷静に判断しましょう。年金収入の3分の1から4分の1程度が家賃の目安と言われることもありますが、ご自身の生活水準に合わせて厳しく見積もりましょう。
3-4. 家族と徹底的に話し合い、理解と同意を得る
自宅という大切な資産に関わることなので、家族の理解と協力は不可欠です。
- 制度のメリット・デメリットを共有: 家族全員でリースバックの仕組み、メリット、そして今回解説した「やばい」と言われるリスクやデメリットを共有しましょう。
- 将来のプランを共有: 売却後の生活や、将来の住まいに関する希望なども話し合い、認識を一致させることが重要です。特に、買い戻しの可能性や、将来自宅を出ていくことになった場合のことも含めて、事前に共有しておくことが、後々のトラブルを防ぐ上で最も重要です。
3-5. 不動産・金融の専門家に相談する
リースバックは非常に複雑な契約であり、一般の方だけで判断するのは非常に困難です。必ず、中立的な立場の専門家のアドバイスを受けましょう。
- ファイナンシャルプランナー(FP): 資金計画や老後資金全般について、中立的な立場からアドバイスをもらえます。ご自身のライフプランに合った制度か、リスクを許容できる範囲かなどを診断してもらえます。
- 弁護士・司法書士: 契約書の法的な内容をチェックしてもらい、不利な条項がないか、法的リスクがないかを確認してもらえます。特に賃貸借契約の内容は、法律の専門家に見てもらうことを強くおすすめします。
- 不動産コンサルタント: 不動産の適正価格や、賃貸市場の状況について専門的な見地から意見を聞くことができます。
これらの専門家への相談費用を惜しまないことが、後々「やばい」状況に陥って大きな損害を被ることを防ぐための、賢明な先行投資と言えるでしょう。
4. まとめ:リースバックで「後悔」しないために、賢く選択を!
リースバックは、自宅という大切な資産を活用し、まとまった資金を得ながら住み慣れた家で暮らし続けられるという、一見魅力的な選択肢です。しかし、その裏には「所有権の喪失」という大きな変化と、それに伴う「売却価格の低さ」「家賃の高さ」「契約更新拒否のリスク」「修繕費負担」といった、決して無視できない「落とし穴」が潜んでいます。
「やばい」「後悔」「悲惨」といったネガティブなキーワードが飛び交うのは、これらのリスクを十分に理解しないまま、安易に契約してしまったケースが多いためです。
大切なのは、リースバックのメリットだけでなく、デメリットや潜在的なリスクを十分に認識し、複数の選択肢を比較検討し、綿密な資金計画を立て、家族と話し合い、そして何よりも必ず中立的な立場の専門家の助言を得ることです。
あなたの自宅と、これからの人生を安心で豊かなものにするために、この記事で解説した「後悔しないための全知識」をぜひ活用してください。焦らず、じっくりと、あなたにとって最適な選択を見つけてください。
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参考情報
- 住まいステップ:リースバックは落とし穴に注意 | 住み続けられない人が続出中?
- SBIエステートファイナンス:リースバックがやばいって本当なの?騙されないための正しい使い方を紹介
- あなぶき興産:リースバックはやばい?利用者200人に聞きました。実際の取引満足度は?