近年、害虫駆除をうたう業者による高額請求トラブルが急増しています。国民生活センターによると、2023年度の相談件数は前年度比約40%増の2290件に達し、特に10代~20代の若年層が被害に遭いやすい傾向があります。
トラブルの内容としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- ネット広告の格安料金表示に釣られて依頼したら、実際の見積もりは高額だった。
- 不安をあおられたり、契約を急かされたりして、冷静な判断ができずに高額な契約を結んでしまった。
- 作業中に追加料金が発生すると言われ、断ったら高額なキャンセル料を請求された。
- 駆除効果が十分得られなかったにもかかわらず、料金を全額請求された。
こうしたトラブルの背景には、害虫駆除業者の悪質な営業行為や、消費者の知識不足などが考えられます。
害虫駆除の高額請求トラブルの具体例
近年、害虫駆除をうたう悪徳業者による高額請求トラブルが急増しており、被害は全国各地で報告されています。以下では、近年発生した具体的なトラブル例をご紹介します。
1. 格安広告に釣られて高額請求
インターネット広告やチラシなどで見かけた「ゴキブリ駆除500円!」「ネズミ駆除1万円!」といった格安料金に釣られて依頼したところ、実際には以下のよう高額な料金を請求されたケースがあります。
- 見積もりでは500円だったのに、実際には10万円以上請求された。
- 初回料金は1万円だったが、追加料金で数十万円請求された。
- 駆除対象外の害虫も駆除すると高額なオプション料金を請求された。
2. 不安をあおられて高額な契約を結ばされた
業者が自宅に訪問し、以下のような巧妙な話術で不安をあおり、高額な契約を結ばせてしまうケースがあります。
- 「このまま放置すると、病原菌が繁殖して大変なことになる。」
- 「今すぐ駆除しないと、被害が拡大する。」
- 「他社よりも安い料金で駆除できる。」
3. 契約内容と異なる作業を行った
契約書に記載されていた内容と異なる作業を行い、高額な追加料金を請求する悪徳業者も存在します。
- 見積もりでは薬剤散布のみだったが、実際には床下の調査や駆除も行い、高額な料金を請求された。
- 駆除後も害虫被害が続いているのに、再駆除には高額な料金を請求された。
4. 違法な薬剤を使用していた
中には、国が認めていない違法な薬剤を使用している悪徳業者もあります。違法薬剤は、人体やペットに健康被害を及ぼす可能性があるため、十分注意が必要です。
5. クーリングオフを妨害する
訪問販売で契約した場合、クーリングオフ制度を利用して契約を解除することができます。しかし、悪徳業者は以下のような手段でクーリングオフを妨害することがあります。
- クーリングオフ制度の説明を怠る。
- クーリングオフの意思表示を拒否する。
- 必要書類を発行しない。
6. 悪質な口コミで客引き
SNSなどに、実際に利用したかのような架空の口コミを投稿し、客引きを行う悪徳業者も存在します。このような口コミは、実際の被害者によるものではないため、鵜呑みにしないことが重要です。
しかしどれを取っても悪質ですね。おそらく害虫駆除業者の一部でしょうけど、「金が儲かれば後は知ったこっちゃない!」「欺される方が無知で悪いんだ!」とでも思っているのでしょうか。
そうだとすると、社会経験が少なく基本知識もあまり持ち合わせていない若者が狙われるのも悪徳業者から見れば「狙いやすい奴を狙う!」といった感じなのでしょう。スマホで検索も当たり前だしね。
QRコード詐欺も悪質だったけど、負けず劣らず悪質な高額請求トラブル、できれば巻き込まれたくないですよね。
若年層が害虫駆除の高額請求トラブルに狙われやすい理由
近年、害虫駆除をうたう業者による高額請求トラブルが急増しており、特に10代~20代の若年層が被害に遭いやすい傾向があります。若年層が狙われやすい理由は、主に以下の点が考えられます。
1. 害虫被害への不安や焦りにつけ込まれる
ゴキブリやネズミなどの害虫被害は、誰にとっても不快で恐怖心を感じるものです。特に、一人暮らしを始めたばかりの若年層の場合、害虫被害への対処経験が少なく、不安や焦りに駆られやすい傾向があります。悪徳業者は、こうした心理状態につけ込み、高額な駆除サービスを契約させてしまうのです。
2. 社会的な知識や経験が少ない
若年層は、社会的な知識や経験が少なく、悪徳業者の巧妙なセールストークに騙されやすいという側面もあります。契約内容やトラブル時の対応などについて十分な理解がなく、不本意な契約を結んでしまうケースが多いのです。
3. 情報収集力や判断力が未熟
インターネットやSNSで情報を収集する機会が多い若年層ですが、情報源の信頼性を見極める力や、冷静な判断を下す力が未熟な場合もあります。悪徳業者の虚偽の口コミや誇大広告に惑わされ、契約に至ってしまうリスクが高いと言えるでしょう。
4. 一人暮らしが多いため、周囲に相談できる相手が少ない
一人暮らしをしている若年層は、家族や友人などに相談できる相手が少ないため、孤立しやすいという問題もあります。困ったことがあっても一人で抱え込んでしまい、悪徳業者の言いなりになってしまう可能性があります。
5. 経済的に困窮している場合がある
学生やアルバイトで働いている若年層の中には、経済的に困窮している場合もあり、高額な請求に泣き寝入りせざるを得ない状況に陥ることもあります。
このように、若年層は様々な理由から、害虫駆除の高額請求トラブルに狙われやすいと言えます。
害虫駆除の高額請求トラブルから身を守る方法・対策
近年、害虫駆除をうたう悪徳業者による高額請求トラブルが急増しており、若年層を中心に被害が拡大しています。契約前に十分な確認や業者選びを行わないと、高額な料金を請求されたり、効果が得られなかったりといったトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
そこで、ここでは、害虫駆除の高額請求トラブルから身を守るための方法や対策をご紹介します。
1. 複数の業者から見積もりを取る
害虫駆除業者は数多く存在するため、必ず複数の業者から見積もりを取り、料金や作業内容を比較しましょう。中には、ホームページなどに「駆除料金◯◯円~」「初回◯◯円OFF」などと謳い、一見安そうに見える業者もありますが、実際には高額なオプション料金を請求されたり、追加料金が発生したりするケースがあります。複数の業者を比較することで、相場を知り、悪徳業者を見極けることができます。
2. 広告の格安料金に惑わされない
インターネットやチラシなどで見かける「ゴキブリ駆除500円!」「ネズミ駆除1万円!」といった格安料金の広告は、悪徳業者が利用者の目を引くために用いている手段です。実際には、駆除対象の害虫の種類や被害状況、建物の構造などによって料金は大きく異なり、格安料金で駆除できるケースは稀です。
3. 訪問販売の場合はクーリングオフ制度を利用する
業者が自宅に訪問し、契約を勧誘してきた場合は、訪問販売に該当する可能性があります。訪問販売にはクーリングオフ制度が適用されるため、契約後8日間であれば無条件でキャンセルできます。契約内容はよく確認し、不安な点があればすぐに質問しましょう。また、契約書面を受け取ったら、内容をよく確認してからサインするようにしましょう。
4. 不安な点があれば、契約前に業者に質問する
契約前に、料金体系、作業内容、保証内容、キャンセル時の条件などを必ず業者に質問し、納得してから契約しましょう。不明点があれば、遠慮なく質問し、回答が得られない場合は契約を控えるべきです。
また、業者のホームページや口コミなどを参考に、評判を確認しておくことも重要です。
5. 契約書の内容をよく確認し、納得してからサインする
契約書には、料金、作業内容、保証内容、解約条件、支払方法など、重要事項が記載されています。契約書の内容をよく確認し、納得してからサインするようにしましょう。
特に、解約条件については、クーリングオフ期間内の解約の場合でも、解約手数料が発生する可能性があるため、事前に確認しておくことが重要です。
6. 料金は後払いを選択する
可能であれば、料金は後払いを選択しましょう。先払いをしてしまうと、トラブルが発生した際に返金が困難になる場合があります。
7. 困ったことがあれば、すぐに相談する
害虫駆除業者との間でトラブルが発生してしまった場合はひとりで悩んでいないで、三人寄れば文殊の知恵のことわざどおり、慌てずに以下のような機関に相談しましょう。
- 国民生活センター:https://www.kokusen.go.jp/
- 各都道府県の消費生活センター:https://www.kokusen.go.jp/map/
- 弁護士(ジャストアンサーインターネット相談室):https://www.justanswer.jp/sip/internet-legal?r=ppc|ga|11|JP%20-%20Law%20-%20Translated%20KWD%20-%20Search%20-%20Google%20-%20Broad|Lawyer%20-%20Broad&JPKW=%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB%E4%BC%9A&JPDC=S&JPST=&JPAD=375619916774&JPMT=b&JPNW=g&JPAF=txt&JPCD=20181755&JPRC=1&JPOP=LawExpansion&r=ppc|ga|11|||&mkwid=s_dc&pcrid=375619916774&pkw=%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB%E4%BC%9A&pmt=b&plc=&cmpid=2086900542&agid=79650333031&fiid=&tgtid=kwd-633549428&ntw=g&dvc=c&JPKW=%E5%BC%81%E8%AD%B7%E5%A3%AB%E4%BC%9A&JPDC=S&JPST=&JPAD=375619916774&JPMT=b&JPNW=g&JPAF=txt&JPRC=1&JPCD=&JPOP=&gad_source=1&gclid=Cj0KCQjw3ZayBhDRARIsAPWzx8qEyTouMR9hdtKrW-01DZ_Z2WZtTpOAy0GAC3fEUVVicQHFBWKYUTcaAuPrEALw_wcB
これらの機関では、被害状況の相談や、業者の調査、返金交渉などのサポートを受けることができます。
8. 事前に自分で駆除を試みる
軽微な害虫被害であれば、市販の殺虫剤や駆除グッズなどで自分で駆除を試みることもできます。ただし、駆除する害虫の種類や駆除方法によっては、効果が得られない場合や、健康被害を招く可能性があるため、注意が必要です。自分で駆除するのが難しい場合は、信頼できる業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
害虫駆除の高額請求トラブルは、十分な対策を講じることで防ぐことができます。上記の方法を参考に、自分に合った業者を選び、安心安全な害虫駆除を依頼しましょう。
参考サイト
- 国民生活センター「ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意」 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240424_1.html
- 東京都生活安全部「ゴキブリ発見!ネット広告で見つけた駆除業者に依頼したら高額請求に! ~害虫駆除に関する相談が急増しています!~」 https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/sodan/kinkyu/20231024.html
- Lmaga.jp「害虫駆除の高額請求トラブル急増、100円グッズの企業呼びかけ」 https://gaityu-rescue119.com/identify-pest-control-companies/
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