水分の摂りすぎにご用心 水中毒
熱中症対策として水分補給が効果的だと言われていますが、もしかして無秩序に大量に水を飲んでいませんか。
水分補給が熱中症対策に欠かせないといっても水だけを大量に飲むことでかえって水中毒になり体調を崩してしまうことになってしまいます。
水中毒の対処法(治療法)
まず水中毒になってしまった場合の対処法ですが、基本は水分摂取を制限することです。
軽傷の水中毒の場合
水分の制限・塩化ナトリウム(食塩)を補充する必要があります。
補充はある程度時間をかけてゆっくりと摂取することが肝心です。急激に塩分を補充すると脳に影響が出る場合があるそうです。
「急がば回れ」のことわざを思い出して、焦らずゆっくりと塩分補給をしましょう。
塩分補給には塩飴や塩分補給タブレットなどを利用するとお手軽です。
塩分補給にはこんなものがお手軽で確実
重傷の水中毒の場合
輸液によるナトリウムの補充が必要となります。
これは医師の手によらなければなりませんので、病院へ直行もしくは救急車のお世話にならざるを得ません。
水中毒になる原因は?
直接の原因は水分の摂取過多にあります。
その結果としての低ナトリウム血症を引き起こし様々な症状が出現します。
低ナトリウム血症とは,血清ナトリウム濃度が136mEq/L未満に低下することであり,溶質に対する水分の過剰が原因である。一般的な原因としては,利尿薬の使用,下痢,心不全,肝疾患,腎疾患,ADH不適合分泌症候群(SIADH)などがある。特に急性低ナトリウム血症では,臨床症状は主として神経学的なものであり(浸透圧によって水分が脳細胞内に移動し,浮腫を引き起こすことが原因),頭痛,錯乱,および昏迷などがみられる;痙攣発作や昏睡が生じることがある。診断は血清ナトリウムの測定による。血清および尿の電解質や浸透圧,ならびに循環状態の評価が原因の解明に有用である。治療として,水分摂取制限,水分排出促進,欠乏しているナトリウムの補充,および基礎疾患の是正などを行う。
参照:MSD マニュアルプロフェッショナル版
水中毒の症状はどのような状態?
軽傷の水中毒の場合
大量の水分を体内に入れると血液内のナトリウム濃度が下がりすぎて主に次のような症状があらわれます。
- 頭痛
- めまい
- 頻尿
- 疲労感
- 浮腫(むくみ)
- 下痢
重傷の水中毒の場合
重症になると死亡する場合もありますので、早急な対応が必要です。
- 先進錯乱
- 嘔吐
- 意識障害
- 呼吸困難
- けいれん
- 肺水腫
- 心不全
水中毒にならないための対策
水だけを多量に飲み続けていると低ナトリウム血症が起こりやすくなります。水を飲むにも最低限のルールを守ってご自分のカラダをいたわって下さい。
水の飲み方
- 水は少量ずつ何回かに分けてこまめに補給する。一度に大量の水を飲まない
- うがいをすることでのどの渇きを一時的に癒し水分補給の間隔を空ける。
- 摂取する水は単なる水ではなく経口補給液(スポーツドリンク)を利用すると、低ナトリウム血症を予防できます。但し、スポーツドリンクには糖分も含まれていますので糖分の取り過ぎにも気をつけて下さい。
トコロさんおすすめの経口補水液
ご自身も熱中症にかかってしまったという所ジョージさんオススメの経口補水液。
オーエスワンは、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液です。軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適した病者用食品です。感染性腸炎、感冒による下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水状態、高齢者の経口摂取不足による脱水状態、過度の発汗による脱水状態等に適しています。
1日にどのくらいの量の水が必要なのでしょう?
人間がいきいきと生活していくためにも水は必要不可欠なものです。しかし人間の身体からは汗や尿の排泄により1日に1.5〜2リットルの水が失われてしまうのですから外から水分を補給する必要があるのです。
1日に必要な水の量は普通に生活しているだけでも2〜2.5Lの水分補給が必要なんだそうです。
一人一人の体格にもよりますのである程度の目安量ですが、それだけの水分が必要なのです。
水分摂取は食物3割・飲料7割
1日に必要な水分の量が2〜2.5Lだと入っても全ての量を直接飲料から摂取したのでは水分の摂りすぎとなってしまいます。
何故かというと、水分の摂取は飲み物だけでなく、食物からもかなりの割合いで摂取しているからです。
一般的には
- 食物(食品・料理)からの水分摂取:3割
- 飲料(水・お茶・ジュースなど)からの水分摂取:7割
つまり、必要な水分摂取量の7割程度を飲料として摂取すれば足りる事になります。
※この割合はあくまで目安としてお考え下さい。
熱中症にも水中毒にもならないように
毎日暑い日が続いていますので、つい水分を大量に飲んでしまうこともあるとは思いますが、熱中症の予防だと思っていたのに水の摂りすぎで今度は水中毒になってしまったなどとならないよう注意して暑い夏を乗りきりましょう。
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